介護施設での誤嚥事故で損害賠償請求はできる?
介護施設での誤嚥事故が起きてしまった場合、事故について施設の過失が認められれば、損害賠償を請求できる可能性があります。
とはいえ、「うちの場合は請求できるのだろうか」「損害賠償請求をするには具体的にどうすればいいのか」といった疑問を抱える方もいらっしゃると思います。
本記事では、損害賠償請求が認められやすい具体的例から、損害賠償請求のためにすべきことまで説明します。
安全配慮義務違反があれば請求できる可能性はある
まず大前提として、誤嚥事故が起きたからといって、直ちに施設へ損害賠償を請求できるわけではありません。
損害賠償請求が認められるためには、施設側に「安全配慮義務違反(注意義務違反)」があったこと、つまり「施設側の過失によって事故が引き起こされた」と認められる必要があるのです。
誤嚥事故の場合は、入所者の嚥下能力を正しく評価し、誤嚥リスクがあると予測した上で、「食事形態をきざみ食やミキサー食にする」「とろみ剤を使用する」「食事介助のペースに気をつける」といった具体的な対策が講じられていたかが争点になります。
損害賠償請求が認められやすいケース
損害賠償請求が通りやすいのは、施設側の過失が明確な場合や、窒息・死亡・後遺障害など利用者に重大な結果が生じた場合です。
例えば、以下のようなケースでは損害賠償請求が通りやすいといえます。
- 嚥下機能に対して食事形態が不適切だった
- 食事介助の方法に問題があった
- 食事中の姿勢や見守りが不十分だった
- 事前の情報共有やアセスメントが不足していた
また、「過去に同様の事故が起きていたのに改善されていなかった」などのケースも、安全配慮義務違反として追及できる可能性が高いといえます。
損害賠償請求のためにすべきこと
損害賠償請求をするためには、まずは事故当時の状況を記録した「介護記録」や「事故報告書」などの開示を請求します。
これらの記録を読み解くことで、施設が利用者の嚥下リスクを日頃からどのように評価し、どのようなケアを行っていたか、そして事故当日の対応に問題がなかったかを明らかにすることができます。
しかし、これらの記録をご家族だけで分析し、法的な観点から施設の過失を証明するのは非常に困難であるため、介護事故に詳しい弁護士に相談するのもおすすめです。
まとめ
介護施設での誤嚥事故は、施設側の「安全配慮義務違反(注意義務違反)」が認められれば、損害賠償を請求できる可能性があります。
そのためには、事故の経緯や過失の有無を客観的に示す証拠を確保する必要があります。
ご家族だけでは難しい場合もあるので、損害賠償請求を検討している場合は、弁護士へ相談することも検討してみてください。
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