介護施設における利用者同士のトラブルと施設側の責任

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こんにちは。弁護士の後藤壮一です。

介護施設では、利用者同士のトラブルが発生することがあります。
認知症による判断能力の低下や、コミュニケーションの難しさから、口論や身体的接触が生じることも少なくありません。
これらのトラブルが事故につながった場合、施設側はどのような責任を負うのでしょうか。

施設側の責任が問われるケース

介護施設は利用者の安全を確保する義務を負っていますが、どのような場合に責任が認められるのでしょうか。

主に以下の点が考慮されます。

予見可能性と対応義務

施設側が利用者同士のトラブルが発生する可能性を予見できたかどうかが重要です。
例えば、過去に暴力的な行動を取った利用者がいた場合、適切な監視や対応を怠っていたと判断される可能性があります。

安全配慮義務の履行

施設には、利用者の安全を確保する義務があります。
適切な職員配置や監視を行わず、事故を防ぐための措置を講じなかった場合、責任を問われる可能性があります。

事故発生後の対応

トラブルが発生した際、施設側が迅速かつ適切な対応を取ったかどうかも重要です。
被害者の救護や加害者への適切な指導を怠った場合、施設側の過失が認められる可能性があります。

利用者間トラブルの具体的な事例

過去の判例では、認知症の利用者が他の利用者に暴力を振るい怪我を負わせたケースで、施設側の責任が認められた例があります。
施設側が加害者の行動を予見できたにもかかわらず、適切な監視や対応を怠ったことが理由とされました。

施設側が取るべき対策

施設側が責任を問われないためには、以下のような対策が求められます。

  • 利用者の特性を把握し、適切な配置を行う
  • 職員の監視体制を強化し、トラブルの兆候を早期に察知する
  • トラブル発生時の対応マニュアルを整備し、迅速な対応を可能にする
  • 利用者や家族への説明を徹底し、施設の対応方針を明確にする

介護施設における利用者同士のトラブルは、適切な対応によって未然に防ぐことが可能です。
施設側が日頃から安全管理を徹底することが重要です。

弁護士 後藤 壮一

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